乳がん手術は江戸川病院・東京


Ⅰ.病理組織学的(顕微鏡)形態での分類

浸潤癌 浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌/充実腺管癌/硬癌)
特殊型(粘液癌/髄様癌/浸潤性小葉癌/その他)
非浸潤癌(非浸潤性乳管癌/非浸潤性小葉癌)

 

Ⅱ.免疫染色(IHC)によるsubtype分類

女性ホルモン受容体(エストロゲン受容体:ER、プロゲステロン受容体:PR)
HER2蛋白
・これらER, PR, HER2の組み合わせで分類
・治療法と直結した分類
ER+⇒ホルモン療法有効
HER2+⇒抗HER2療法(ハーセプチン)有効
ER+, HER2+⇒ホルモン療法も抗HER2療法も両方有効
ER-, HER2-⇒ホルモン療法も抗HER2両方も両方無効

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Ⅲ.Intrinsic Subtype

遺伝子発現による分類
より本質的な分類を目指しPerouらが2000年に発表

20個の乳癌組織のdoxorubicin治療前後及び、2個の原発巣と転移リンパ節で異なる腫瘍間でより変化する遺伝子を選択
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496個のintrinsic gene setを作成

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この496個のintrinsic gene setを用いて乳癌65症例をクラスター解析施行
以下に分類されることを提唱した。

ER+/luminal like: Estrogen receptor 1, GATA3他luminal系遺伝子発現
Basal like: 高分子ケラチン(5/6/17)が発現
HER2-enriched: ERBB2が発現

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●2001 Luminal ⇒ luminal A/Bに分類
同じグループが、対象症例を85に増やして検討しluminalがA/Bに分類できる。

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これが現在、臨床の場に用いられている分類の形であり、治療法の選択に用いる。
・標的治療 内分泌療法 癌細胞に発現したエストロゲン受容体(ER)を標的
抗HER2療法 癌細胞に発現したHER2蛋白を標的
・非標的治療 化学療法:標的が無い細胞傷害

 

●標的治療を行った上で、標的が無いもの(Basal-like)や標的治療+αとして非標的治療(化学療法)を行う。

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2007 Claudin-lowの追加

更に、232人のヒト乳癌と122個のマウスの乳腺腫瘍を合わせた大規模なクラスター解析を行い、乳癌幹細胞により近い性質を持つClaudin-lowというサブタイプを追加

Tight-junctionで細胞間バリアーを形成する主要な蛋白質であるClaudin 3,4,7やE-cadherinなどの発現が低いという特徴がある。

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【補足】TNBC : triple negative breast cancer

●TNBCとは過度期的な概念であり、単に既知のER, PR, HER2が陰性という共通の性質を持っているが、異なる未知の生物学的特質を持つ雑多な集団と考えるべきである。

●いずれ、新たな予測因子が見つかり、この概念は消失する。

●特徴
全乳癌の15-20%
特殊型(髄様癌、アポクリン癌、腺様嚢胞癌)である予後良好群が含まれる。
Basal-likeと70-80%がoverlapする。
20%がBRCA1変異であり、BRCA1変異の80%がTNBCである。
下記(①~③)のheterogenousな疾患群である。
① 化学療法が著効する予後良好群
② 化学療法が無効な予後不良群
③ 元来予後良好で化学療法が不要な群
閉経前女性とアフリカ系アメリカ人に多い。
5年以内に32%が再発(他は15%)再発した場合の平均余命は9カ月

 

TNBC

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